不育症の治験に参加した病院を退院してから4日後。
恵愛医院の受診を翌日に控えた金曜日。
午前中に赤い出血がありました。
量は少なかったものの、子宮に違和感があり、とても不安になりました。
上司に話して早退させてもらい、その日は自宅で安静にしました。
BT36/7w6d:恵愛医院
翌日の土曜日。
前日の出血はその後落ち着きましたが、ヒヤヒヤしながら受診しました。
内診の結果、子宮内に出血が見られるものの、赤ちゃんは順調とのこと。
13mmの胎芽と元気な心拍が確認できました。
そして驚いたのが、なんともう1ヶ所心拍が見えたのです!!
着床後、別の部分に胎嚢らしきものが見えてはいたのですが、治験の病院を退院する時にはもう見えなくなっていたし、おそらく出血だったんだろうということで納得していました。
まさか、ここにきて復活?!
…と思いきや、胎芽は3mmと小さく、成長が遅すぎるのでおそらく異常がある、とのこと。
いずれ吸収される可能性が高いけれど、もしかしたら出血するかもしれないと言われました。
順調な方の赤ちゃんに影響することは無いようなので、安心しました。
イレギュラーなことばかり起こる私。
いつになったら心に安定が訪れるのか…。
こちらの医院は基本、ウトロゲスタン膣用カプセルは6週で、エストラーナテープとルトラールは7週で終了するのですが、これまでの流産の経緯もあるため、先生と相談して10週頃まではホルモン補充を続けることになりました。
念のため、この日も黄体ホルモンの注射を打ってもらって帰りました。
悪阻は少しずつひどくなっていました。
空腹時や食後の気持ち悪さが悪化。
大好きな甘いものは食べたくなくなり、ニンニクや納豆、冷蔵庫の臭いも受けつけなくなりました。
生魚や生肉は、見るのも辛くなりました。
BT42/8w6d:恵愛医院
胎芽は22mmまで成長し、元気な心拍も確認できました。
1日1mm以上成長してくれていて嬉しく感じました。
胎嚢が平べったくて窮屈そうに見えましたが、奥行きがあるので問題ないとのこと。
これまでに、胎嚢が三日月型から成長しなかったり、胎嚢に赤ちゃんがパンパンに詰まった状態で流産になったことがあるので、胎嚢の形にはどうしても敏感になってしまいます。
先生もそれを理解した上で、「今回の状態は問題ないですよ。」と、再度教えてくれました。
気になるもう1ヶ所の心拍は、徐々に弱くなってきているとのこと。
モニターでは心拍どころか胎嚢すら目視できない状態。
子宮内の出血はだいぶ治まってきているようですが、たまに軽い生理痛のような痛みがありました。
“もう一人の赤ちゃんが流れて出てくるかもしれない”
“またひどい出血が起こるかもしれない”
そんな精神状態が影響し、より痛みを感じてしまっていたのかもしれません。
まだ少し出血が見られるためか、この日も黄体ホルモンの注射を打ってもらうことになりました。
BT45/9w2d:治験の病院
治験のスケジュールに合わせて受診。
この日は経腟エコー以外に、尿検査と採血を行いました。
3日前に恵愛医院を受診したばかりなのに、大きな不安に押しつぶされそうになりながら内診台へ。
結果、181bpmと元気な心拍を確認!
胎児のサイズが21.8mmと、3日前と変わっていませんでしたが、先生は
「小さくなることはないから大丈夫!」
と笑っていました。
測り方やエコーの角度もあるだろうし、誤差範囲なんだろうけど…いちいち心配になってしまいます。
胎嚢が丸い形に近づいていたことには、少し安心しました。
もう1ヶ所の心拍は既に見えなくなっていましたが、まだ胎嚢は残っているとのこと。
正常な方の胎児には影響しないとのことでしたが、早く吸収されてほしいと思いました。
そしてこの日、次回から産科外来を受診するようにと言われました。
これまでは不育症外来を受診していましたが、週数が進んできたので変更になるようです。
お腹の中で10週まで赤ちゃんを育てられたことのない私にとって、『産科』というのはまだまだふさわしくない場所のような気がしました。
それに、優しくて穏やかで不安を全て包み込んでくれるようなオーラを持つこちらの先生に診てもらえなくなるのは、とても残念でした。
でもここから先、不育症外来で新たにできる治療は無いのでしょう。
最後に先生から、
「あとは神頼みですね!」と言われました。
そうだ。神様みたいな先生でも運命はわからないんだ。
私が赤ちゃんを信じてあげなきゃ!!
先生に感謝の言葉を伝えて診察室を出ました。
BT49/9w6d:恵愛医院
ありがたいことに、赤ちゃんは順調に成長していました。
大きさは32.5mm、しっかり動く心拍も確認。
「赤ちゃんが動いているのがわかりますか?」
と言われてモニターを見てみると、手をピクピクと動かしていました。
体の形もはっきりとわかり、感動して涙が出そうになりました。
もう1つの胎嚢は徐々に小さくなっているので、このまま消えていくだろう、とのこと。
「ここまできたら、ほぼ大丈夫だと思います。」
診察室で、先生から嬉しい言葉が聞けました。
ただ、これまでも別のクリニックで同様に言われ、その後流産になった経験もあるので、まだまだ油断できません。
普通なら卒業できる週数でしたが、
「あと2週は診ましょうか。」と提案されました。
こちらの医院は成功報酬制なので、卒業のタイミングで高額を支払うことになります。
それもあって、おそらく安心できるところまでは診察していただけれるのだと思いました。
胎盤が出来てきているので、ホルモン補充はもう必要ないようでしたが、念のためあと一週間続けることになりました。
恵愛医院は基本土曜に予約していたので、毎週夫が付き添ってくれていました。
治験の病院を退院してからは、恵愛医院へ通院する際は、カーシェアで車を借りて運転してくれていました。
悪阻が辛く、たまに出血もある状態で電車の乗り換えとバスを使っての通院は、思いのほか大変だったからです。
これまでは受診のたびに何かしらの不安を持ち帰っていましたが、この日は久しぶりに経過が順調なことに安堵しました。
“きっと大丈夫。卒業できる!”
お互い口には出さなかったけれど、手応えを感じた一日でした。
次回はいよいよ、まだ超えたことのない『9週の壁』に立ち向かいます。