流産の手術が終わったあと、経過を見るために10日ぐらいあけて受診するようにと指示がありました。
予約の日に受診すると、手術して取り出した胎児の染色体検査の結果は、まだ出ていませんでした。
この時点でわかったことは、病理組織検査という子宮内容物の検査では特に異常なし。
他に差し出されたのは、流産を宣告された日に行った、私の採血結果の用紙。
ホルモン値、肝機能、腎機能、貧血の値、血液の固まりにくさの数値など、全て問題はありませんでした。
手術後の経過を見るためエコーをしたところ、子宮内はとてもきれいになっていると言われ、安心しました。
それから2週間後、赤ちゃんの染色体検査の結果を聞くために、夫婦で受診しました。
結果、『胎児の染色体は異常なし』
性別はX染色体が2個で、女の子だったそうです。
今回の流産で考えられることは…
⚫︎不育症など、母体が原因の可能性が高い。
⚫︎今回の妊娠に限って言えば、夫婦の染色体異常は影響していない。(夫婦の染色体異常の可能性が無いわけではない。)
⚫︎胎児の染色体異常は見られなかったが、内臓疾患など別の要因だった可能性もある。
不育症の検査は既に杉ウィメンズクリニックで行なっていましたが、検査項目では網羅できない原因不明な不育症に当てはまる可能性もあるとのこと。
高度化する現代の医療でも、不育症はまだまだ解明できていない部分が多いそうです。
*杉ウィメンズクリニックでの不育症検査については、こちらの記事をご覧ください↓↓↓
赤ちゃんに染色体異常があれば、夫婦の染色体検査も視野に入れていたけれど…。
今回の流産は、おそらく私の子宮が原因。
でも既に不育症の検査は行い、バイアスピリンを飲んでいました。
“これ以上どうすればいいんだろう…”
夫が私の気持ちに気づき、
「何か他にできる検査や治療はないですか?」
と、代わりに質問してくれました。
先生は私たちの目を見て、しっかりと答えてくれました。
「今のところ夫婦の染色体検査以外に行えることはありません。流産は辛いですが、今後も移植を続けるしかありません。治療を止めたら妊娠できる可能性は0ですが、治療を続けていたらいつかは出産できると、私は思っています。」
そう言ったあと、先生が過去に治療をされた、あるご夫婦の話をしてくれました。
そのご夫婦は、奥さんに染色体異常があり、流産を20回以上も繰り返したそうです。
一度は妊娠を諦めて治療を止めたけれど、やっぱり赤ちゃんがほしくて再開したとのこと。
根気よく頑張った結果、41才でようやく成功したそうです。
…衝撃でした。
3回も稽留流産となり、誰よりも自分が不幸だと悲観的になっていたことが恥ずかしくなりました。
20回なんて…。
どんなに辛かっただろう。
治療を続けるために、どれだけ強い意志が必要だっただろう。
私にとって、このクリニックに転院して先生と出会えたこと。
そして、このご夫婦の話を聞けたことが、それ以降も治療を続ける原動力になりました。
『いつかきっとうまくいく』
そう励まされたことが、どれほど私たち夫婦にとって心強く感じたか…。
“流産は本当に辛い。でもいくら原因を考えても、過去を振り返っても、自分の身体を憎んでも、赤ちゃんは産めないんだ。次に向かわなければ…!”
この頃から、流産に対する自分なりの乗り越え方が、少しずつわかってきたような気がします。