一卵性双生児と判明した日に妹が亡くなり、地方にある実家に帰省していました。
一週間後、実家から戻ったその足で、恵愛医院に向かいました。
BT30/7w 0d
先に関東に戻っていた夫と合流して一緒に受診。
もともと流産しやすい体質な上、高リスクな一卵性双生児の妊娠。
そこに大きな精神的ショックや睡眠不足が加わったため…良い結果が期待できるはずありません。
ある程度覚悟した上で内診に臨んだのですが…
心拍は2ヶ所動いていました!
よかったーっっ!
2人ともよく頑張ってくれた!!
ただ、胎芽のサイズが小さめ。
通常だと7mmなところ、4.9mmと5.9mm。
前回と比べると成長はしているので、経過を見ていきましょうと言われました。
一卵性双生児だと、片方が流産になると、もう片方も確実にダメになるそうです。
片方の心臓が止まると、そっちに栄養が行かなくなる分もう片方が栄養過多になり、心臓に負担がかかるため、結局2人とも流産になるそうです。
多少の時間差はあるものの、ほぼ同時に起こるとのこと。
2人で1つの命なのです。
この壮絶な一週間を乗り切った2人を信じ、次回の受診まではしっかり食べてしっかり寝ることに専念しようと決めました。
この日の受診後から、急に悪阻の症状が出てきました。
特に空腹時や食後、疲れた時には、今までに感じたことのない気持ち悪さがありました。
酸っぱいものや辛いものを食べたくなるという、典型的な変化も。
実家では、体調変化を感じている余裕が無かっただけかもしれませんが…。
“双子だから悪阻もひどいのかな?”と勝手に考えていました。
BT37/8w0d
胎芽が成長していることを祈りつつ、ソワソワしながら受診。
エコーで見たところ、12.2mmと12.6mm。
「週数に見合った大きさになってきましたね。」と言われ、安心しました。
心拍もしっかりと見えて嬉しくなりました。
その後、双子について説明がありました。
出生した子供の中で、双子は1% のみ。
その中で一卵性は3割。
さらに、一卵性の中でも胎盤や部屋の別れ方で3つに分類されるそうです。
私の場合は1絨毛膜2羊膜双胎、つまり「胎盤は同じで部屋は別」という、一卵性の中では最も多いタイプでした。
双胎妊娠の種類は何がある?
①絨毛が2つで羊膜が2つの2絨毛膜2羊膜双胎
②絨毛が1つで羊膜が2つの1絨毛膜2羊膜双胎
③絨毛が1つで羊膜が1つの1絨毛膜1羊膜双胎
の三種類があります。
少し聞き慣れない言葉だと思いますが
絨毛の数=胎盤の数
羊膜の数=胎児が成長する部屋の数
と考えて頂ければ理解しやすいと思います。
※国立成育医療センターHPより抜粋
※画像は twinkle twins より
また、双子の出産の場合、NICUのある産院に限定されるかもしれないとのこと。
双子は途中から体内で成長しにくくなる場合もあるようで、8ヶ月ぐらいで早めに出産し、体外で成長させることもあるそうです。
里帰り出産もできなくはないけれど、距離が遠くて産む直前まで帰れないなら、受け入れが難しいかもしれないと言われました。
双子の出産は想像以上に大変そうですし、何より赤ちゃんの命が優先!!
里帰りを希望していましたが、そうも言ってられないようです。
いずれにしても、早めに情報収集をしなければと思いました。
BT44/9w0d
2人とも順調に成長し、元気な様子が見えました。
大きさは19.0mmと20.8mm。
ほぼ週数相当と聞いて安心しました。
いただいたエコー写真には、人形のような2つの命が、頭を下にしてちょこんと存在していました。
ぼやけているけど、頭と体、手も見えて…
めっちゃかわいい!!
待合室では、にやけてしまう自分の表情を整えるのに苦労しました。
そしてこの日、ようやく出産予定日を教えていただきました。
自分で問い合わせていたNICUのある病院には、先生から依頼をしてもらう必要があったため、その旨を伝え、お願いしました。
こちらの医院にはあと2回受診し、2週間後(11w0d)に卒業とのこと。
その間に、同時進行で転院先に初診を受けに行くようにと言われました。
悪阻はひどくなる一方。
これまでも移植後は気持ち悪さがありましたが、比べものにならない程でした。
電車を乗り継いで帰宅するのが精一杯。
夫が付き添ってくれるのが何より心強かったです。
初めて9週に突入しましたが、『9週の壁』と言われているため、まだまだ油断できません。
食べれる物を食べて、仕事はできるだけ無理しないよう心がけながら一週間を過ごしました。
BT51/10w0d
そして一週間後の土曜。
この日は担当医がお休みで、院長先生の診察でした。
内診室に呼ばれて入る際、なぜか嫌な予感がしました。
“今回はここまで来たんだし、気のせい気のせい!”
と無理矢理自分に言い聞かせて内診台へ。
緊張しながらモニターを確認してみると…
残念なことに、嫌な予感は的中してしまいました…。
先生は無言でエコーを続けていましたが、モニターには前回のように元気に動くチカチカは全く映りませんでした。
「う〜ん…心拍が見えないですね……」と先生のうなり声。
頭が真っ白になり、全身の力が抜けました。
待合室に戻り、夫の元へ。
内診室から出てきた私は、夫の目を見て、何も言わずに首を横に振ったそうです。
内診台でのショックは何度経験しても慣れませんが、夫は夫で内診室から出てくる私を待つ時間に慣れないようです。
夫もよほどショックだったようで、この時の私の様子は、今でもたまに口にしています。
お互い無言のまま時間が過ぎ、診察室へ呼ばれました。
先生は私たちの気持ちをしっかりと受け止めながら、説明してくれました。
赤ちゃんの大きさは9週ちょっとなので、前回の受診からわりとすぐに成長が止まった可能性が高い、とのこと。
一卵性双生児はもともと流産になりやすく、ここまで成長もしているので、染色体異常ではなく不育症が原因だろうと言われました。
杉ウィメンズクリニックでの不育症検査から2年経っているので、再度不育症の検査をしてみてもいいかもしれないと提案されました。
結果によっては、バイアスピリンに加えてヘパリンの注射も処方してもらえるそうです。
流産の処置については、ある程度成長しているし双子なので、手術する必要があるとのこと。
手術の前日に受診し、念のため心拍を確認してから、子宮口を開く処置をすると言われました。
過去に痛みがひどくて子宮鏡検査ができなかった経緯を伝えると、子宮口を開く処置は無理には行わないとのこと。
一度試してみて考えることになりました。
胎児の染色体検査については、前クリニックでの流産の手術時に一度検査をして異常がなく、また費用が10万円もかかるため、今回ははしないことに決めました。
流産という結果に、ショックと同時に“またか…”という気持ちになりました。
“一卵性双生児というリスクの高い出産なんて、私には無理だったんだ。”
双子と判明した時の院長先生の硬い表情が、妙に納得できました。
亡くなった妹が応援してくれていると思ったのに…。
これ以上両親に辛い思いをさせたくなかったのに…。
色んな感情が渦巻き、心の整理ができないまま、3日後の手術前日を迎えました。