無事、不妊治療の医院を卒業し、その後は治験を行った都内の病院の産科外来のみの受診となりました。
これまでの記事に書き忘れていたのですが、不育症の治験に参加した場合、基本的にはその病院で出産しなければいけません。
出産や死産、流産の状況も、治験のデータとして記録されるからです。
私は他の産院を選べないことに、特に抵抗はありませんでした。
なぜなら、こちらの病院は妊娠までの経緯を把握してくれているし、大学病院のため緊急事態にも対応してもらえるからです。
また、産科の看護師さんや助産師さんたちがとても優しく、意識やモチベーションの高さを感じたのも理由のひとつです。
むしろ、この病院で産めることに安心感すらありました。
しかし、自宅から産院が遠いというのは、想像以上に大変でした。
妊娠中にトラブルがあり緊急で受診したい場合や、破水が起こった際には、距離の遠さが障害となります。
それに、当初はまさか通院回数がこんなにも増え、タクシーを使って来ることになるとは思いもせず…。
『産院は近いに越したことはない』
出産を控えた今、しみじみ感じています。
妊婦健診について簡単に記載します。
妊娠初期~6ヶ月までは4週に1回、7ヶ月~9ヶ月までは2週に1回、10ヶ月に入ると週に1回の受診が必要です。
母子手帳をもらった際についてきた、妊婦健診の助成券が使用できます。
妊娠月数や検査項目に合わせて使用できる券が決まっていて、その金額がお会計から差し引かれるのです。
〈妊婦健診で毎回行うこと〉
⚫︎採尿→尿糖、尿蛋白の検査
⚫︎体重/血圧測定
⚫︎腹囲/子宮底長測定/足の浮腫みチェック
⚫︎超音波検査
これに、週数に応じて採血やおりもの検査などが加わることもあります。
12w4d
この日から妊婦健診が始まりました。
まだ初期だったので、腹囲や子宮底長の測定、腹部エコーは無し。
この頃悪阻がピークとなり、まともに食べれず吐くこともあったので、体重が2kg減っていました。
経腟エコーの結果、胎児の大きさも心拍も特に問題なし。
胎児の浮腫みは見られないとのこと。
始めて胎嚢の隣に白っぽく映る胎盤が見えました。
もう1つの胎嚢は、まだしぶとく残っていました。
内診室と診察室は壁を隔てているのですが、診察室にもモニターがついていて、付き添いの夫にも経腟エコーで映された赤ちゃんの様子を見てもらうことができました。
これまで白黒のエコー写真でしか見せることができなかったので、動いている様子を見てもらえたことが嬉しかったです。
14w4d
この日もまだ、腹囲や子宮底長の測定、腹部エコーは行わず。
経腟エコーの結果、胎児の大きさも心拍も特に問題なし。
心臓は4つ部屋があるし、浮腫みも見られないとのこと。
赤ちゃんは順調でした。
しかし、この日始めて子宮の出口の長さが短いと指摘あり。
測定結果は28mm。
今後も変わらなければ大丈夫だけれど、もし短くなっていくようなら入院や手術が必要になるとのこと。
予想外の指摘に困惑しました。
また、前回の採血結果で、風疹の抗体が低いとのこと。
出産したらワクチンを打った方がいいと言われました。
“え…?結婚前にワクチン打ったのに?!”
驚いて先生に聞いてみると、ワクチンを打っても抗体がつきにくい場合があるらしいのです。
知らなかった…。
外出する時は気をつけなければと思いました。
『一難去ってまた一難』とは、こういうことを指すのでしょうか。
ダブルパンチを食らった気分。
やっと普通の妊婦として過ごせると思っていたのに、甘くなかった…泣
上司に子宮頸管長のことを伝えて相談し、とりあえず次回の受診までの2週間は、週3日の勤務に減らしてもらうことになりました。
そしてできるだけ立ち仕事を避け、身体に負担にならないよう自分でも意識しました。
16w4d
この時期からは経腟エコーだと赤ちゃんが見づらくなるようで、腹部エコーが始まりました。
診察室のベッドに仰向けになるようにと言われ、お腹にジェルを塗り、プローブをあてられました。
念願の腹部エコーにワクワク。
モニターに映し出された赤ちゃんは、元気に動いていました。
心臓は4つの部屋がうまく機能し、収縮と拡張を繰り返しながら血液を送り出す様子までしっかりと見えました。
羊水の量も問題ないとのこと。
先生がモニターの映像を見て説明しながら、頭の長さ(横幅)、お腹の周囲の長さ、太ももの長さを測定。
この3ヶ所を測ることで、自動的に推定体重が計算されるのです。
体重は週数相当で、順調に成長していました。
腹部エコーは経腟エコーと違って痛みがなく、お腹の赤ちゃんをそのまま見れる感じがして、とても感動しました。
そして、次に経腟エコー。
前回指摘された子宮頸管長の測定です。
これまで不妊治療で感じていた内診台でのヒヤヒヤとは別の緊張感。
入院も手術も覚悟して来たのですが…
測定結果は30mm。
“あれ?長くなってる!?”
測り方で多少ずれることはあるけれど、今のところ問題なさそうと言われました。
ただ、一度短くなったら伸びることはなく、前回の長さまではすぐに短くなる(開いてくる)とのこと。
とりあえず入院を免れ、ほっとしました。
診察室で先生に今後の生活について相談しました。
仕事に関しては、次回の受診までの2週間はもとの週5日勤務に戻し、次回の結果で今後のことを考えることになりました。
仕事中は無理をせず、休日はできるだけ外出を控えるようにと言われました。
子宮頸管長が保たれていたことに安心し、勤務体制も元に戻り、ようやく悪阻も落ち着いてきて…。
いつのまにかやる気スイッチがONになっていました。
これまで職場に迷惑をかけて申し訳なく思っていた私は、先生の忠告を深く考えず、この2週間でまた仕事を頑張りだしてしまったのです。
結局それが裏目に出て、再び迷惑をかけてしまう結果に…。
次回に続きます。