津田沼IVFクリニックで採卵後、培養結果を確認するため、翌日と一週間後にクリニックに電話しました。
〈受精結果〉
→8個中5個が正常受精(2PN)
1個は3PNで異常受精のため培養中止。
残り2個は経過観察中(1PN、0PN)
よって、7個は培養継続。
ん?PNってなんだ?
初めて聞く用語に戸惑いましたが、詳しくは受診時に説明してくれるとのこと。
〈胚盤胞の凍結結果〉
→培養を続けた7個中3個を凍結。
正常受精していた5個の受精卵からは分割した2個を凍結。残り2個は分割が進まず、1個は分割したがグレードが悪いため凍結できず。
経過観察をしていた1PNは、その後分割が進んだため凍結。
0PNは分割が進まず凍結できず。
8個採卵できたのに、3個しか凍結できなかったことがショックでした。
前CLでは5個採卵して4個凍結できたのに…。
でも胚盤胞までたどり着くのは3割程度と言われていることを考えると、悪い結果ではないはず。
「数が勝負ではないし、ここまできた卵を信じよう!」という夫の言葉に励まされました。
凍結結果の詳しい説明を聞きにくるようにと言われていたので、採卵からしばらく経ってから受診しました。
この日は診察はなく、培養士さんによる説明のみでした。
凍結した胚盤胞は以下の3個
①4AA:5日目胚(2PN由来/ES 13分)
②4BA:5日目胚(1PN由来/ES 10分)
③4BA:6日目胚(2PN由来/ES 11分)
PNについて
※はらメディカルクリニックHPより抜粋
PNとは前核のことで、片方は母親、片方は父親由来。
正常受精は2PNだが、受精から分割の段階で、2PN→1PN→消失→2分割→4分割→…と進んで行く。
そのため1PN胚は、可能性として
⚫︎受精後、消失前の途中段階
⚫︎母方、父方の前核の現れるタイミングのずれ
ということ。
前者2つの場合は胚盤胞まで分割すれば全く問題ないが、3つ目の場合は分割がストップする。
私の場合は、1PNが5日目には胚盤胞まで進んでいるため、前者2つのどちらかだったと考えられる。
0PNは消失段階の可能性があり経過を観たが分割進まず。正常受精してなかったということ。
3PNは前核が3つ(おそらく精子2つ)となる異常受精のため、この時点で培養を中止した。
ES ◯ 分について
凍結までにかかった時間のこと。
(調べたところ、ESとは凍結の際に使用する平衡液のようです)
これが短いほど反応の良い胚であり、短時間で融解できる可能性が高い。
この数値をメインに評価することはないが、同程度のランクの胚で移植順に迷った際には参考にしている。
胚盤胞の評価について
こちらのクリニックではグレード4での凍結がベストと考えている。透明帯が薄くなり、中がパンパンに膨らんだ状態。
グレード3だと透明帯が厚く、グレード5や6だとすでに透明帯から中身が出てきている状態。
グレード4でアシステッドハッチングをするところもあるが、こちらでは4の場合は不要。
グレードのつけ方はクリニックによって多少差があり、他院のグレード4は当院のグレード3に近いのかも。
こちらのクリニックでは、内細胞塊と栄養外胚葉の評価をA~Dで行なっている。D評価は凍結をしない。
比較的厳しく評価しているので、C評価でも成功する可能性は充分ある。
凍結した胚盤胞の移植順は、総合的に判断して良いと思われる胚から①→②→③の順に行う予定。
でも、もし1PN由来の胚盤胞を後にしたいなど希望があれば変更できるとのこと。
(学会や論文でも1PN由来で流産率や奇形率が上がるというようなリスクはないとされているが、クリニックによっては2PN由来を優先するところもあるそうです)
ここまでしっかりと観察し考察された上での評価なので、培養士さんの評価順で移植することに決めました。
前CLでは、受精後は初期胚と胚盤胞を観察していたので、受精の翌日の状態を観察する方法は新鮮でした。
また、最終的な胚盤胞の評価だけではなく、成長過程など途中経過も大切だと知ることができました。
*前CLでの初期胚、胚盤胞の評価↓↓↓
実際に培養経過を観察していた培養士さんからの説明により、良い結果も悪い結果もすんなりと受け入れることができました。
こちらのクリニックの培養士さんは、ご自身の考えに自信を持っているものの、一方的に押し付けるわけではなく、あくまでも治療の主役は患者だと言わんばかりに意思を尊重してくれました。
『培養士』
体外受精を経験していなけれは、出会うことのなかった職種の方々です。
一度の失敗も許されないプレッシャーの中、大切な命を生み出し、男性を父親に、女性を母親にしてくれる、とても尊いお仕事だと感じました。