流産の手術の前日、心拍の再確認と、子宮口を開く処置をするために受診しました。
前回の受診から2日しか経っていませんでしたが、この時すでに出血が始まっていました。
以前手術をした際、子宮口を開く処置が痛すぎて中断したため、今回も無理にはしないとのことでしたが、いざ内診台に上がると緊張しました。
内診してもらったところ、出血量が多く、すでに子宮口が広がってきているとのこと。
処置は必要ないでしょうと言われ、ほっとしました。
念のため行ったエコーでは、2日前と同じく心拍は見えず、胎児の大きさも変わっていませんでした。
流産を宣告されるまで血流を良くするバイアスピリンとヘパリン注射を使っていたので、手術に影響しないか気になり、先生に聞いてみました。
本当はもう少し早めに中止するのが理想だけれど、慎重に行うので大丈夫と言われ、安心しました。
夫婦で話し合った結果、今回の手術では胎児の染色体検査を行なってもらうことにしました。
前クリニックで一度検査した際は異常無しでしたが、その後の流産では行っておらず、再度調べてみたいと思ったのです。
それに、治験を受ける上でも、胎児の染色体検査の結果が必要になりそうだったからです。
手術当日。
出血量が増え、生理痛のような痛みが出てきていました。
安静室でガウンに着替えて準備。
出血のことを看護師さんに伝えると、下着を着けたまま待つように、とのこと。
しばらく待機したあと手術室へ。
今回も顔見知りの看護師さんが担当で、心強く感じました。
手術台に寝かされ、血圧計、心電図、パルスオキシメーター(血中酸素濃度&脈の測定器)をつけられ、足を固定。
先生を待つ間、ふと看護師さんに「手術の回数が多いと妊娠しづらくなりますかね~?」と聞いてみました。
すると、ちょうど入室されたサバサバした女医さんが、代わりに答えてくれました。
「それはないですよ。手術で妊娠しづらくなるぐらいなら、出産回数が多い人はもっとしづらいはず。手術に比べて出産はもっと子宮が傷つくからです。それに、子宮はけっこう回復しやすくできてるんですよ!」
それを聞いて、少し心が軽くなりました。
院長先生が入室されるとすぐ麻酔が投与され、悲しむ間も無く意識が遠のきました。
回復室に運ばれて少しした頃、ふと目が覚めました。
“痛いっっ”
下腹部に強い痛みを感じました。
以前の手術では痛くならなかったのに。
我慢できずにナースコールを押し、看護さんに痛み止めの座薬を入れてもらいました。
きっと陣痛は、比べものにならないぐらい痛いに違いありません。
でも赤ちゃんに逢うために耐える痛みと、お腹にいた赤ちゃんを失った時の痛みは、きっと感じ方が違うでしょう。
死産された方は、辛い上にもっと強い痛みがあるのだと思うと、心が苦しくなりました。
点滴が終わる頃に起こされ、待合室へ。
そしてすぐに内診室に呼ばれました
院長は帰られたようで、内診と診察は先ほど手術室にいた女医さんでした。
内診では止血用のガーゼを抜き、出血確認とエコー。
ガーゼを抜くのは相変わらず痛かったですが、何度も採卵や手術をしているうちに、だんだん慣れてきました。
出血量は少なく、エコーの結果も問題ないとのこと。
抗生剤と痛み止め、子宮収縮剤を処方され、終了となりました。
手術後の経過を診てもらうため、2週間後に再診の予約を取りました。
次に来た時には治験について先生としっかりお話できるよう、再度詳しく調べておこうと思いました。
以前手術を行った際は、双子の妊娠だったことや、途中経過が良かったことなどからショックが大きく、手術前に泣いてしまいました。
その時に比べて今回は、冷静に手術を受けることができました。
移植後の成長過程で危うかったこともあり、こうなる運命だったのかもしれないと自分の中で納得できている部分もあったからだと思います。
“これまで天国へ行ってしまった赤ちゃんたちのためにも、今できることに正面から向き合おう。”
自分たちがするべき事は何か、もう一度夫と話し合おうと思いました。