自然妊娠を諦め、近くの産婦人科を受診した当時の記録です。
初診当日になると緊張しました。
内診が本当に本当に苦手なのです。
診察室に呼ばれ、腹膜炎の既往歴を見た先生から、以前の医師と同様に卵管癒着の可能性があると言われました。
内診やエコーは案の定、激痛との戦い。
排卵前の卵巣を診てもらい、タイミングをとることになりました。
その後、二度ほどタイミングを試しましたが妊娠せず。
病院に通えば妊娠すると思っていたので、生理がきた時はショックでした。
結果的に最後の診察となったその日は、出勤時間を遅らせてもらい朝から受診。
なかなか呼ばれず焦る…
やっと呼ばれて先生から言われた言葉が、
「普通なら半年ほどタイミングを試すけど、あなたの場合はまず卵管が詰まってないか検査した方がいいですね。」
「ここでは卵管造影検査ができないので、大学病院に紹介状を書きます。」
(こちらは産科がメインのため、不妊症治療の検査の設備が整っていませんでした)
すでに卵管造影検査が痛いと知っていたので、その単語を聞いて恐怖でした。
思っていたより早く次のステップを勧められたこと。
検査は大学病院で行わなければいけないこと。
“すぐに覚悟はできないよ…”
思わぬ提案に戸惑っている時、なんと先生が呼び出され、診察室から出て行ってしまったのです!
何?何?と驚いていると…
そう。ここは分娩のできる産婦人科。
お産です。
先生が一人しかいないため、いつ戻ってこれるかわからないとのこと。
受付開始前に来て1時間半待ったのに、先生と話した時間は1分。
“妊娠できない私は後回しだ…”
悔しくて情けなくて、見放された気がして、涙が出てきました。
泣いてる場合じゃない。仕事行かなきゃ!と思っても涙が止まらず。
隣についてくれていた看護師さんが、
「私も不妊症だったから、気持ちわかるよ…」といって一緒に泣いてくれました。
忙しいはずなのに、私が落ち着くまでずっとそばにいてくれました。
待合室で会計を待っている間、並んで座っている妊婦さんたちを見回しました。
今まで気にならなかったのに…
やたらと眩しく見えました。
“ここは今の自分が来る場所じゃない”
惨めな感情が、心にじんわり染み渡りました。
それから数日かけて、卵管造影検査を受ける病院について調べました。
冷静に考えると、検査ができれば指定された大学病院でなくてもいいはずです。
“大学病院で機械的に検査されるのは嫌!!”
そんな思いから、その先に待っている不妊治療のことは何も考えず、とにかく『卵管造影』『痛くない』というネット情報だけを頼りに探しました。
その結果、卵管造影の痛みが少ないという口コミが多かった、銀座の楠原ウィメンズクリニックで検査を受けることに決めました。
通っていた産婦人科に紹介状をもらいに行った日。
惨めな感情は消え、前向きな自分に戻っていました。
“いつか出産する時は、またここに来るのかなぁ”
“その時は、一緒に泣いてくれた看護師さんにお礼を言いたいなぁ”
そんなことを、ぼんやりと考えていました。