転院先のクリニックの診察日まで期間が空いたので、その間に近くの泌尿器科で夫の検査をしました。
精液検査の結果は問題なし。
軽めの慢性前立腺炎との診断を受けましたが、薬を飲めば大丈夫とのこと。
そして楠原ウィメンズクリニック初受診。
予約の際に卵管造影検査だけしてほしいと頼んでみましたが、初診の場合は先に諸々の検査を受ける必要があると言われました。
(この時は不妊治療について本当に無知でした)
待合室はガラス張りで外が見える空間。
コーヒーメーカーやちょっとしたお菓子もあり、診察前後にリラックスできます。
銀座なだけあって患者さんもおしゃれな人が多く、PCを持ってきて仕事している人もいました。
不妊治療のクリニックって、どんよりした空気で深刻な表情の患者さんが多いイメージだったのに…
来ている人はみんな日常生活の一環のような雰囲気でした。
先生は父親ぐらいの年齢で、職人肌な感じの人。
看護師さんたちはとても感じがよく、質問にも丁寧に答えてくれました。
毎週末何度か通い、基礎体温表のチェック・内診・経膣エコー・採血による感染症やホルモンの検査・フーナーテストなどを行いました。
〈結果〉
フーナーテスト「不良」→この結果は毎回変わりやすいとのこと。
黄体機能不全→着床しにくく流産の原因にもなるが、対処法はあるとのこと。
他は特に問題なし
卵管造影検査の当日は、午後の予約なのに朝から気持ちが落ち着かず。
処置室にて機械を挿入。
いつもの内診よりさらに痛い…!!
造影剤を入れた時は、お腹を下すような、重い生理痛のような、ズーンとした痛みがありました。
でも、検査前に飲んだ痛み止めが効いたのか、私の場合は『カーテンを引きちぎるほど…』では無かったです。(←ネットでよく目にした、卵管造影検査の痛みの感想)
翌日も受診し造影検査後の写真を撮り、二日間の画像を見ながら結果を聞きました。
「卵管は通っているけど拡散していない。つまり癒着しているということ。特に右側がひどい。」
「自然妊娠は難しいと思う。子宮は問題無いので体外受精を勧めます。」
これまでの記事にも書いたように、私は過去に腹膜炎の手術をした経験があり、他のクリニックでも卵管癒着の可能性を指摘されてきました。
そのためある程度は覚悟していましたが、それでも『妊娠するためには体外受精をするしかない』という現実にショックを受けました。
この二日間は夫も付き添ってくれていたので、診察後に二人でこれからのことを話しました。
治療には高額な費用がかかるけど大丈夫だろうか。
仕事を急に休むことになるはずだから、今まで通り働けないかもしれない。
注射が怖いし体調が悪くなるかもしれない。
色々な不安を言葉にしましたが、最終的に二人とも『子供がほしい』という思いは変わりませんでした。
二人で話している間、
“自分のせいで自然に子供が授かれない”
“他の人と結婚してたら、すぐにお父さんになれたかもしれないのに…”
そんな夫への申し訳ない気持ちががどんどん溢れ、何度も「ごめんね」と言いました。
夫は、
「自分にも原因があるかもしれないから謝らないで」
「これはひとりじゃなくて、夫婦ふたりのプロジェクトだからね」
と穏やかな声で励ましてくれました。
その日の夜、九州に住んでいる大学時代の友人に電話しました。
その友達には子供がいますが、自然に妊娠せず人工授精を行い、最終的に体外受精をして授かったと聞いていました。
私の今の状況を伝え、体外受精がどういう治療なのかを教えてもらいました。
わずかに知識がつき、身近に経験者がいるという安心感も増え…
何より、その友達が不妊治療を乗り越えて子供と幸せに暮らしているという事実に背中を押され、
体外受精をやる!!
と決心することができました。
卒業後に遠く離れ、なかなか会うことはできないけど、人生の壁にぶち当たった時はすぐに相談できる友達。
いつも隣にいて寄り添ってくれる夫。
自分は幸せだと感じました。