培養結果を聞いた日に、次の生理ですぐに移植周期に入れると説明を受けていました。
“それまでに体調を整えればいっか~♪”
としばらく治療を忘れるつもりでいたのですが…
予定より4日も早く生理が!!
まだ採卵による身体と心の疲れが残っていたので、1ヶ月あけるか悩みました。
その日のうちに受診して相談すると、採卵後に生理が早まることはよくあるそうで、
「採卵後にお腹の張りや痛みが無かったなら移植して問題ない。」
「途中の経過確認で内膜が薄ければ中止することもできる」
とのこと。
先生の言葉を聞いて、それなら移植しようと決めました。
凍結胚盤胞の移植ではホルモン補充を行います。
まずエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤を使用。
内膜が充分な厚さになったら排卵日を設定し、その日からプロゲステロン(黄体ホルモン)製剤を追加します。
凍結胚は5日目胚なので、排卵日と仮定した日から5日後に移植します。
D2:エストラーナテープ開始
スケジュールに沿って一日置きに2枚貼り替え。
D8:テープを3枚に増やす
D10:テープを4枚に増やす。
D14:テープを2枚に減らし、プロゲステロン筋注を追加
D19:移植
幸い、テープでかぶれたり剥がれることはほぼありませんでした。
D14に受診し、順調に内膜が厚くなっていると確認できたので、予定通り5日後に移植と決定しました。
プロゲステロン製剤は、膣錠か注射が選べると聞いていたのに…有無を言わさず注射になりました。
この注射は、採卵で使用したhMG注射と異なり粘性があります。
そのため、アンプルから吸い上げる時も液を注入する時も抵抗感があり、少し力が必要です。
筋肉注射なのでお尻に打ちます。
注射後は5分ほど揉み込まなければいけなくて、けっこう大変でした。
連日行うとしこりができ、お尻が硬くなって打つ場所に困りました。
移植の当日は午後休をもらいクリニックへ。
腹部エコーで観察しながら移植するため尿を溜めてくるようにと指示があり、頑張って水を飲みトイレを我慢しました。
移植はあまり痛くないと聞いていたけれど、採卵時の痛みがトラウマになり、念のためロキソニンを服用。
移植前に診察室で、先生から胚盤胞の説明を受けました。
4BBを融解しアシステッドハッチングを行い、5BBになったとのこと。
「良い状態ですね」
の言葉に期待が膨らみました。
回復室で下半身だけ裸になりタオルを巻いて待機。
処置室に呼ばれ、まず培養士さんと名前や生年月日の確認。
万が一にも間違いは許されない、という雰囲気。
台に仰向けになり、プローブで下腹部を押されると尿意が強まりました。
プローブを動かしながらエコーで子宮の位置を確認。
先生の口から「あんまり尿が溜まってないね…」と言葉が漏れました。
ちゃんと水分を摂ったのに。
プローブの位置が定まったあと、膣を洗浄しクスコを挿入。
予想以上の痛みに思わず
「痛い!!」
と叫び、反射的に動いてしまいました。
同時に涙が溢れてきました。
「腰を浮かさないで!動かないで!」
と先生。
隣にいた看護師さんが私の手を握りながら
「鼻から息を吸って、口から吐いて~」
とリラックスさせてくれました。
“今の私にできるのは、じっとすることだけ!”
移植が失敗に終わることだけは避けなければと意志を強く持ち、痛みに耐えました。
その後、細いカテーテルを子宮内へ挿入。
違和感はあるものの痛みはありませんでした。
モニターに移植の様子が映されました。
培養士さんが培養室で胚盤胞を吸い上げ、先生に渡して、子宮に移植。
少し冷静になると、妙に神秘的な感情が湧いてきました。
“『移植』という、いのちを授かるための医療を、今この場所で自分が体験しているんだ…”
培養士さんが培養室に戻り、胚が残っていないか確認し、終了。
5分ぐらいの出来事だったのに、どっと疲れました。
回復室に戻って着替え、すぐにトイレへ。
戻るとすぐ看護師さんがその日の分のプロゲステロン注射を肩に打ってくれました。
揉みながら横になり30分ぐらいうとうと…。
その後、再度診察室へ呼ばれて先生のお話。
妊娠判定は、自分で検査薬を買って尿で判定を行なってください、と指示がありました。
市販の検査薬も精度が高いので、まず間違いないとのこと。
妊娠判定を行う日と、陽性だった場合の受診日を確認。
陰性だった場合は薬は中止。
判定日までは普段通りの生活でいいと言われたけれど、子宮に卵がいると思うと、やっぱり気になってしまいました。
基礎体温を測ったり薬を続けながら、そわそわした日々を過ごしました。
そしてついに判定日…
次回に続きます。