移植の後は、クリニックでもらった薬とバイアスピリンを飲み忘れないよう気をつけながら過ごしました。
下腹部や足の付け根の違和感、基礎体温の変化に一喜一憂しないようにと思いながらも、そわそわした日々を送りました。
BT7
いよいよ判定日。
前CLでは尿検査による判定だっため、判定日はBT10前後だったのですが、採血の場合は尿より早めから判定できるそうです。
あっという間の7日間でした。
土曜日だったので夫と一緒に受診。
採血を行い結果を待つ間、私一人が落ち着かず。
診察室に呼ばれ、目の前に結果の用紙を出されました。
『β-hCG 16.9』
すぐに先生が説明を始めました。
「β-hCGが出ているので着床しています。ただ、この数値が10~20の場合、妊娠継続率は20%です。」
“低い!!”
とりあえず一週間薬を続け、来週受診した時点でまず尿検査で判定を行うことになりました。
夫は「とりあえず着床していたことを喜ぼうよ。」と励ましてくれましたが、それなりに体調変化を感じていたので、とてもショックでした。
これまでの妊娠でも判定日に妊娠検査薬の反応がしっかりと出ることはなく、数日経ってようやくラインが濃くなることばかりだったので、今回も期待できなくはないですが…。
このhCGの上昇が遅いことが流産につながっているのではないかとも考えていたので、より不安が大きくなりました。
次回の受診まで待てず、一週間の間に何度も市販の検査薬で判定しました。
判定ラインが日に日に濃くなるのを見て、やっと心が落ち着いてきました。
BT14/4w 5d
一週間後の土曜。夫と受診。
クリニックに着いてすぐ尿検査。
自宅で検査したとは言え、やっぱり緊張…。
結果、ラインがしっかり出ているので陽性とのこと。
先生の口から「妊娠していますね」と聞けて、ようやく第一関門を突破した気分になりました。
エコーではまだ胎嚢は見えず。
週数が早いので問題ないとのことでした。
BT19/5w3d
平日のため一人で受診。
6mmの胎嚢が確認できました。
「小さめですか?」と質問してみると、「週数的にちょうどいいです。」という答えが返ってきました。
ネットで検索してみると、やはり少し小さめの気もしましたが…。
先生に「おめでとうございます。」と言われ予定日を教えてもらえたので、余計な心配はしないでおこうと思い直しました。
それから一週間後に出血がありました。
ナプキンが薄く赤い色に染まっていたので焦ってクリニックに電話しました。
看護師さんに相談したところ、ルティナス膣錠を使っているとよく起こることなのだそう。
「少量の出血なら心配ありません。生理のような出血になったり腹痛が起こるようならすぐに連絡ください。」と言われ安心しました。
BT28/6w5d
土曜だったので夫と一緒に受診。
胎嚢の中に5.5mmの白い胎芽が見え、心拍も確認!
夫も内診室に入り、一緒にモニターを見せてもらえました。
モニターの画質が悪くて心拍の様子がわかりづらかったのは残念でしたが、心拍の速さも正常とのことなので、ようやくひと安心できました。
ただ、前CLで心拍確認後の流産を経験しているため、お互い「ここからが勝負だね」と気を引き締めました。
この頃から、食後や空腹時に気持ち悪くなったり、胃のむかつきが出てきました。
仕事をしていたので困りましたが、“これがいわゆる悪阻なのか…”と嬉しくもありました。
BT35/7w5d
一週間後の土曜。夫と一緒に受診。
この日は二度目の心拍確認予定。
前CLのトラウマから、診察室に呼ばれるまではドキドキが止まりませんでした。
エコーで診てみると…
心拍が見えました!
前回よりもはっきりと見えて感動!!
赤ちゃんも12mmで順調とのこと。
診察室に戻り、夫と「ここまできたのは初めてだね!」と話していると、先生も「そうでしたか!」と嬉しそうな表情。
「ここまできたら80%は大丈夫です。」
と言われ、やっと心から喜ぶことができました。
このクリニックも、あと二週間で卒業です。
この一週間でさらに悪阻は強まり、気持ち悪くなる時間が増えてきました。
それと同時に『妊娠している』という意識も強まりました。
今まで通りに仕事するのが厳しくなってきたため、次回の受診後、妊娠3ヶ月に入った時点で職場に報告しようと決めました。
BT42/8w5d
翌週の土曜も夫と一緒に受診。
エコーすると、先週よりも大きな胎嚢や胎芽が見えました。
…が、心拍のピコピコが見えず。
モニターの画質が悪いから仕方ないと自分で探すのを諦め、先生の説明を待ちました。
まずは胎芽の大きさを測定。
終わったあとも…先生は無言。
いつもなら、すぐにカーテン越しに先生の声が聞こえるのに。
嫌な予感。
まさかね。
私ばっかり、そんな不幸が起きるはずない。
先生、いつもみたいに「赤ちゃん元気ですね」って言ってよ…!
重苦しい空気が流れたあと、ようやく現実を知らせる声が届きました。
「心拍が見えません。赤ちゃんの大きさから察するに、昨日か今日までは動いていたと思うんですが…。」
あまりのショックに、悲鳴のような声をあげてしまいました。
いつも通り内診室に入っていた夫と目を合わせましたが、お互いに言葉が出てきませんでした。
その後、診察室で先生からお話がありました。
でも頭の中は真っ白。
なんとか記憶できたのが、
「一度確認できなかった心拍が、次回確認できたという例はない。」
「この週数で心拍が止まるというのはあまり起こることではない。稽留流産が3回目ということもあり、一度赤ちゃんの染色体検査をした方がいい。」
ということ。
心の整理をするため来週まで待ち、もう一度エコーで確認してから手術をすることになりました。
手術は怖いけれど、流産の原因を調べてもらえるのはありがたいと思い、先生の提案通り染色体検査も希望しました。
初めて8週まで育ってくれた赤ちゃん。
昨日か今日までは元気だったって…。
この週数だと、おそらく母体が原因。
何がだめだったんだろう。
“なんで??”という疑問と同時に、
“やっぱり私には産めないんだ”という絶望感も抱きました。
この日は土曜日。
診察後も翌日も家にいたはずですが、ノートにはその時の記録が全くありません。
自分も辛かったはずの夫。
何も言わずに側にいてくれてありがとう。
これからのことは、手術が終わってから話そうね。
そんなことを感じていたような、ぼんやりとした記憶だけが残っています。