新鮮胚移植に至らず、再び採卵からスタートとなりました。
前クリニックから転院後にかけて、
『陰性→陰性→移植できず…』
と良くない結果が続きました。
引っ越しに伴い転院し、そのタイミングで仕事も辞めて治療に臨んでいましたが、なかなか結果が出ず。
そもそも引っ越し先で仕事を探さなかったのは、これまで流産を繰り返してきたため、着床後にゆったりと過ごしてみようと考えたから。
それなのに着床までたどり着けないのでは、仕事をしない意味がありません。
退職して約5ヶ月。
“仕事がしたい!”と強く思うようになりました。
失業手当ももうすぐ終わり。
家計への不安もありましたが…。
何より私自身、家にいるのが限界でした。
先も見えずに社会と接点なく家で過ごすのは、5ヶ月で充分でした。
趣味のバスケに行っても、アロマをしてみても、なぜか『仕事をしていない自分』に劣等感を抱いてしまうのです。
そして自分の稼ぎがないため、なんとなくお金を使うことにためらいを感じる日々。
妊娠してるなら専業主婦でいい。
でも、未だに子供はいないし、こんなにパワーが有り余ってるのに…。
夫にはなかなか言い出せませんでした。
なぜなら、私の体調を気遣って専業主婦になるのを提案してくれたのが夫だったから。
私の流産のせいで子供を授かれないのに、これまで一度も責めることなく、ただ見守ってくれていたから。
そして、まだ一度も移植に成功していないのに、働きたいと考えてしまう自分は、あまりに我慢強くない気がしたから。
しばらくもやもやした日々を過ごしましたが、ある日の夜、ついに気持ちを打ち明けました。
洗濯物をたたみながら何気なく話し始めたのに、色々な思いが溢れてきて、気がづくと泣いていました。
夫は「まさかそんな気持ちでいるなんて、全然気づかなかった…。」と驚いた表情。
夫と私は正反対な性格なので、家でゆったり過ごせることにストレスを感じているとは思ってもみなかったのでしょう。
夫は私の気持ちを理解し、尊重してくれました。
その上でどのように働くべきかを話し合い、いくつか約束をしました。
⚫︎身体に負担にならないような働き方をすること。(仕事内容や通勤距離など)
⚫︎仕事後に通院しやすい時間帯で働くこと。
⚫︎妊娠したり流産した場合を想定して、職場には不妊治療している旨を伝えること。
本当は正社員としてバリバリ働きたかったですが、これまでの流産の経緯や治療のことを考えると得策でないことは明白でした。
『何かを得るためには、何かを諦めなければいけない場合もある。』
この歳にしてようやく、思い通りにいかない自分の身体を受け入れられるようになってきました。
結婚してすぐに妊娠し、特にトラブルなく産休まで働いて、育休明けたらすぐに仕事復帰して…。
そんな友達が正直羨ましいですが、自分にはできないのだから仕方ない。
諦めるのがうまくなったのかもしれません。
隣でエールを送ってくれる夫のためにも、自分に合った働き方をみつけようと決めました。